機械学習手法の発展は障害者支援の文脈でも大きな可能性を秘めていますが、認識モデルやその応用シナリオは専門家によって定義されることが多く、障害当事者ユーザーの多様な要求を適切に反映することは難しい課題になります。機械学習モデルの可能性を最大限に引き出すためには、必ずしも専門的な知識を持たない当事者ユーザーの意見やアイデアを設計に反映する仕組みが必要不可欠になります。本研究では、聴覚障害者がどのように機械学習技術を理解し、機械学習技術ベースの音認識システムを設計することができるのか、インタラクティブな機械学習環境を用いたワークショップを通して検証しました。機械学習のハンズオン体験や、ワークショップ参加者同士のコミュニケーションを通して、当事者が具体的な機械学習アプリケーションのアイデアを議論することの可能性を示します。
発表文献
- Yuri Nakao, Yusuke Sugano, “Use of Machine Learning by Non-Expert DHH People: Technological Understanding and Sound Perception”, in Proc. 11th Nordic Conference on Human-Computer Interaction (NordiCHI 2020).